2018年12月5日(水曜日)が宅建士試験の合格発表となります。
参考 宅建試験の合格率(H29年最新)。難易度は上がった?下がった?
宅地建物取引士の合格者が都道府県知事の資格登録を受けるためには、宅地建物の取引に関して2年以上の実務経験が必要です。しかし実務経験を経ないで宅建士登録することが可能です。
それが宅建実務登録講習です。
本記事では、宅建実務登録講習の概要を説明し、講習を行っている機関を比較してみたいと思います。
筆者は宅建実務登録講習の講師もしています。どこかで教壇に立っていますのでどこかでお会いするかもしれませんね。
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まず最初に
この記事では登録実務講習の実施機関を全部紹介していますが、講習の大部分は1月・2月に集中しています。年度末まではなかなか忙しいと考えている方には、春先も講習を継続的におこなっている大規模講習機関(LECなど)をおススメしています。
LEC(レック)は秋まで講習があります
小規模な団体ですと、1~2月ぐらいしか講義がない講習機関もありますが、LECは2018年11月まで宅建登録実務講習を行っています。
年度末はバタバタして受講できない!という方には、おススメです。
当記事は2018年11月15日現在で分かる範囲の情報で記載しています。執筆後に価格改定・日程変更がある場合もありますので必ず各実施機関の団体に確認してください。
宅建登録実務講習の実施機関
宅建業の実務経験のない方が宅建士登録を受けるには、本講習を受講し修了することが必須ですが、どの講習でも良いわけではありません。宅地建物取引業法施行規則第13条の16第1号に基づき国土交通大臣の登録を受けた講習を受講する必要があります。
国交省に登録されている登録実務講習実施機関一覧は次のとおりの18社です(平成30年11月1日現在)。内、住宅新報は事業休止中。
登録実務講習実施機関一覧
- (公財)不動産流通推進センター【東京都】
- (株)東京リーガルマインド【東京都】
- (株)日建学院【東京都】
- TAC(株)【東京都】
- (株)総合資格【東京都】
- (株)九州不動産専門学院【福岡県】
- (株)日本ビジネス法研究所【東京都】
- (一社)TAKKYO【千葉県】
- (一社)職能研修会【神奈川県】
- (株)Social Bridge【大阪府】
- (株)Kenビジネススクール【東京都】
- (一財)ハートステーション【神奈川県】
- (株)プライシングジャパン【埼玉県】
- (株)新潟県宅建サポートセンター【新潟県】
- アットホーム(株)【東京都】
- クレールAI(株)【千葉県】
- 住宅新報【東京都】
- 新東京・不動産biz(株)【東京都】
宅建登録実務講習を徹底比較!
会社名をみると資格の総合教育機関のようなLECやTACから、建築系に強い日建学園、地方に特化した団体など様々です。正直どこを選べばよいか分かりませんよね。
価格、教材、受験会場など多方面からどの学校の講習が優れているかを分析します。
宅建登録実務講習の料金比較
まずは価格をみていきましょう。11月30日現在の情報です。基本料金を記載していますが、インターネット割引や早期申し込み割引などもありますので、各自でご確認ください。また、平成30年の開校日程が明らかでない学校については平成29年の前年価格を参考に表にしています。分かり次第、適宜修正をしていきます。
日にち・会場により価格に差がある場合は最安値を記載しています。また、価格は執筆時で分かる範囲で記載しています。各学校のホームページで必ずご確認ください
団体 | 価格(税込み) |
不動産流通推進センター | 21,000円 |
東京リーガルマインド | 21,000円 |
日建学院 | 22,000円 |
TAC | 22,000円 |
総合資格 | 20,000円 |
九州不動産専門学院 | 12,960円 |
日本ビジネス法研究所 | 11,000円 |
TAKKYO | 9,500円 |
職能研修会 | 15,000円 |
住宅新報社 | 事業休止 |
Social Bridge | 20,000円 |
Kenビジネススクール | 12,000円 |
ハートステーション | 不明 |
プライシングジャパン | 11,880円 |
新潟県宅建サポートセンター | 19,800円 |
アットホーム | 不明 |
クレールAI(株) | 7,100円 |
新東京・不動産biz(株) | 不明 |
安くておすすめの講習機関は?
気になる料金ですが、TAKKYOが最安値です。宅建実務教育センターは受験会場や受験期日によってかなり受講料金に差があります。9,500円~12,000円もの幅があるのでなるべく安い日の会場を押さえたいですね。
九州不動産専門学院グループも12月10日までの早期割引では12,960円とかなり安くなっていますね。基本料金27,000円からすると半値以下なので、早期に申し込まないとかなり損です。
一般的には2万円程度が宅建実務講習の受講料金の相場となっています。
ちょっと高めの料金設定となっている学校にも、執筆時に確認できなかったweb割引や早期割引が用意されている場合があるので、数千円の割引が受けられる可能性があります。
受験会場はどこに?
東京であれば、ほとんどどの学校の講習も受けられます。しかし地方だと学校がかなり限られてしまいそうです。
団体 | 受験会場 |
不動産流通推進センター | 東京、名古屋、大阪 |
東京リーガルマインド | 全国31か所 |
日建学院 | 全国38都道府県 |
TAC | 北海道、仙台、東京、神奈川、埼玉、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡 |
総合資格 | 全国47都道府県 |
九州不動産専門学院 | 九州、沖縄 |
日本ビジネス法研究所 | 北海道、仙台、東京、横浜、大宮、千葉、静岡、名古屋、大阪、広島、福岡など |
TAKKYO | 東京、名古屋、大阪、仙台、岡山、博多 |
職能研修会 | 神奈川県 |
住宅新報社 | 東京、名古屋、大阪、福岡 |
Social Bridge | 大阪 |
Kenビジネススクール | 東京 |
ハートステーション | 神奈川県 |
プライシングジャパン | 東京 |
新潟県宅建サポートセンター | 新潟 |
アットホーム | 東京、神奈川 |
クレールAI(株) | 銀座 |
新東京・不動産biz(株) | 不明 |
全国を網羅している日建学園、総合資格。主要都市で行う東京リーガルマインド、TAC、日本ビジネス法研究所。その他は東京や会社の所在する地域でのみの開催となっているようです。
講習内容は?
法定講習となっているので、どこの学校もほぼ同じ内容の授業内容となります(規則第13条の21第4号)。
科目 | 時間 |
宅地建物取引士制度に関する科目 | 1時間 |
宅地又は建物の取引実務に関する科目 | 37時間 |
取引実務の演習に関する科目 | 12時間 |
全部を合計すると50時間の講習となります。ただ、一部は通信教育で代替することが可能なので、ほとんどの学校では、約1か月間の「通信学習」、2日の「演習(スクーリング)」、そして最後の1時間程度の「修了試験」となっています。
宅建実務登録講習の内容(例)
- 通信学習(1か月)
- スクーリング(2日、12時間)
- 修了試験(1時間)
実際に学校に通わなければいけないのは、スクーリングの2日間だけです(修了試験はスクーリング最終日に行われることが通常)。
演習内容については、正直全部を知っている訳ではないので何とも言えません。ただ、関わったことのある学校のものはきちんと作りこまれており、実務に触れたことが無い人でも分かりやすい内容となっていたと思います。
講義に使うテキストは、実際に不動産実務に携わるようになっても役に立つようにできています。そういう意味では、資格のテキストを出版している「TAC」「東京リーガルマインド(LEC)」はおススメです。
登録実務講習・修了試験は難しい?難易度は?
試験と聞くとびくっとしてしまいますよね。どの学校のコースにも修了試験や確認テストのようなものが設けられています。どれぐらいの難易度なんでしょうか?
ほとんどの学校では90数パーセントの合格率です。公表していない学校については分かりません。
LECのホームページを見ると、「修了試験の合格率は99.8%以上(平成28年度実績)」と書かれていました。さすがに100%というのは難しいですが、ほとんどの方が合格できる難易度と考えて良いでしょう。
特に宅建試験を合格した年に受講するような方はほぼ全員合格されています。逆にいうと、数十年前にテストだけ受かっていて、登録実務講習を受けているような人がたまに不合格になってしまうケースが多いかなと感じています。
再受講が可能な学校もあるので、学校選びの際に確認してみてください。
おススメの実務登録講習の学校は?
何を優先して学校を選ぶかによっておススメの学校は異なってきます。いくつかにわけておススメしてみます。
価格最優先ならTAKKYO!
東京、名古屋、大阪に住んでいるなら間違いなくおススメなのが圧倒的な低価格の宅建実務教育センターです。9,500円~12,000円と価格差はありますが、受験会場と日時によっては1万円を切る価格で受講することも可能です。
参考 TAKKYO
銀座での開催のみとなりますが、TAKKYOの授業が最も安く受けられるのがクレールAI(株)です。金額は何と7,100円。どういう仕組みになっていて、TAKKYOとクレールAIがどのような関係になっているかは分かりませんが、最も安いのは7,100円のクレールAIです。
参考 クレールAI
地方にありがたい日建学院
地方に住んでいると選択肢がかなり限られますが、日建学院のような大手の講義を受講できるのはありがたいです。価格がちょっと高め設定なのが気にかかりますが、大手なので文句なしのおススメです。
参考 日建学院
安心の大手、東京リーガルマインド
LEC(レック)の呼び名でおなじみの東京リーガルマインド。昔から法律系の資格には強い印象がありましたので安心して受講できます。書籍も多く出版しているので、教材もしっかりしており実際不動産実務に携わるときにも教材を使うことができます。実務本を買わなくても済みますね。
一日も修了証が欲しいときに、終了証即日発行クラスが用意されているのもうれしいところ。
参考 東京リーガルマインド
登録実務講習のまとめ
登録実務講習は年始頃が講習のピークなので、春以降は登録実務講習を行う機関がぐっと減ります。
早め早めに受講しておきたいですね。